※村藤R18ほどじゃないけどまぁR ※藤田の自慰 ※村藤というか相変わらず村←藤 ※そして相変わらず藤田が屈折 brain training 違う、違う違う違う。こんなことをやりたいわけじゃないのに。 頭の中で否定の言葉が渦を巻き、それなのに手が止まることはない。 頭と体が分離してしまって、もう自分の意志が届かないのだ。好きだから、とか、気になるから、とか、そんな生ぬるい感情ではない。胸の奥がぎゅうぎゅうと得たいの知れないものに攻め立てられて、頭の中にはひっきりなしに警告音が鳴り響く。目の前がカチカチしてきて、息を吸っているのか吐いているのかさえもわからない。 違う、違うんだ。 言いわけをさせてください、神様。 今朝彼の口が藤田ちゃん、と、囁いた。今朝彼の目が自分のことを見た。今朝彼の耳は自分の声を拾って、今朝彼の足は自分の隣を歩き、今朝彼の手が自分の耳に触れた。 彼の指が触れた右耳の耳たぶは途端に熱を帯びてじんじんと、いずれ腐って落ちてしまうのではないかというくらいにじんじんと歌った。 彼は耳を少し痛いくらいに引っ張って、そして何かを言おうとしてやめた。何を言おうとしていたのか。それを知ることはない。 知ることはないけれども、想像する。あの声は何を言おうとしていたのか。少し高めの笑い声、けらけらと、赤くなった耳から指を外して、声をあげた。 「んっ…あ、はっ…く、あ、ぁ。」 違うの、これはそういうものではないの。好きな子をぐちゃぐちゃにして、自分のものだと知らしめて、そういうたぐいの感情ではないんだ。もっともっと暗欝で淫靡で、下劣な夢だ。 「ぃっ…。」 叶うか叶わないかなんて問題ではない。一人でこうして処理することは軽蔑されることでしょうか、いいえそんなことはありません。ただの生理現象、それだけ。 そこまで考えて己の思考に乾いた笑いを落とした。嘘をつけ!お前はこんなにも欲にまみれている。生理現象だと、笑わせてくれる。 先端に透明な白い体液が集まってきて、手の中には醜い肉棒が収まっている。グロテスクだ。何よりも、この気持ちが一番。 なぁ、お前何言おうとしてたの。そんな目で俺のこと見て何がしたかったの。 彼は憎々しげに自分を見た。ほんの一瞬だったから彼のことが好きでなかたら気付かなかっただろう。 何だろう、何を言うつもりだったんだろう。なぁ村田。 仮に彼が、彼が自分の耳たぶを引きちぎりたかったのであれば、そうすれば良いと思う。爪が少し食いこんだときの痛みを思い出してはまた手をぎこちなく動かす。 彼の歯が耳に当たって、くすぐったさと痛みと、それから快感が全身に広がる様を想像する。 もしくはピアッサーが肉を貫いて、その血をうっとりと眺める彼を。それでも彼は自分が痛がる姿を見ることを嫌うから、そんな表情をしてもまた一瞬でしまいこみ、慌ててティッシュを取りだすのだ。普段はハンカチもティッシュも持っていないくせに、こんな時だけ用意の良い彼。 あぁこんなこと考えてるなんて知られたら気持ち悪く思われるのだろうか。もう声もかけてもらえない?それはない、だって、村田だから。俺のこと大好きな村田だから。 それっぽく誘ったら開けてくれるかな。どうやって誘うんだろう、あんまりわかりやすいのもどうかと思う。あくまでも「開けられた」ってのを強調したいから。俺のせいじゃない、村田のせいだ。 でも村田にされるならなんだって良い。できれば、少し痛いくらいがちょうど良いけど、なんだって。 「あー…本当。俺、村田のこと好きなんだなぁ。」 意図せずこぼれた言葉に、初めて×をしていることを悟った。 |